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ぬあっ……。
俺の感じてたことはそういう意味だったのか…。
俺も「時間の流れが速い」というのは感じてた。
それはもちろん毎日が楽しいからだ。
そのことが悪いことなどとは考えたこともなかった思考が掠ることさえなかった。
確かに。
自分の存在がむしろあやふやになったような気はする。
将来の目的を見失いかけてるし、必死で求めてきたものを捨てようとしている。
ぶっちゃけ那美の事しか考えていないフシがあった。
明らかにマズイ。
で、そんな考えればすぐに分かることを見逃していたことが一番マズイ。
「自分恋に溺れすぎ」。
そうなのかもしれない。
愛染、という言葉がある。
愛に執着するという意味の仏教の言葉だ。
いい意味で使われる言葉ではない。
俺は、周りが見えていないのか。
学校にいて「早く帰りたい」という気持ちが以前より強い。はっきりと強い。
何か疲れた、とか何か腹減った、といった漠然とした理由だった頃に比べ、
早く帰って那美と話したい、という確固たる理由があるためだ。
つまり、上の空。
まぁ、だからといってどうこう出来る話でもない。
気にしないようにすることは不可能だし
那美を少し頭から離すのはさらに不可能だ。
とりあえず、頑張る。何をか知らないけど、頑張る。
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